HOME > TEZZO CARS コンプリートカー tuned by TEZZO > アバルト TEZZO 124 LXY
TEZZOでは、2017年1月よりアバルト124スパイダーをデモカーとして導入したが、どういう方向に進むべきなのか、考えあぐねていた。そもそも124スパイダーはマツダロードスターをベースに開発されているが、単にボディの意匠を換えただけではない。エンジンはロードスター1.5リッターから自社製1.4リッターターボに換装されて大幅にパワーアップして魅力を増している。足回りに関してもロードスターの柔らかく大きくストロークする足から、ロール抑え気味の方向での現代的なスポーツカーのトレンドにセッティングし直され、フィアット(アバルト)ならではの走りのキャラクターが与えられている。TEZZOの基本精神は、純正の魅力をさらに高めることにあるが、そこにどんなキャラクターを付与すべきか悩んでいたのだ。
そこでまずは、TEZZOの伝統的手法として、ベース車をさらに高品質に、性能も見た目の美しさも、TEZZO流に引き上げること。つまり基本に戻ってTEZZOの流儀であるスポーツ&ラグジュアリーの方向性で動き出した。テーマは、大人が乗って日常的に使えるデイリースポーツ。スポーティではあるが高品質。そのためのアプローチとして、まずはロードスター色を一掃することを目標とした。
というのも内装に関しては、まったくと言ってマツダロードスターの流用であり、ドアを開けて室内を見た瞬間それを見た途端わかってしまう。イタリアン・デザイン・テイストはステアリングとレザーシートくらいにしか見当たらない。そこでカーボンパーツの装着とバレルンガ by TEZZOによる本革で上質感を出すことにした。
具体的には、グロスのカーボンパーツを付加することで一気に内装比率を上げることを行った。スカッフプレートに関しては足を載せるにはもったいないほどの輝き、印象はまるで変わる。ドアハンドルに関してもたんにカーボンパーツをかぶせるのではなく裏側から見て元の色が見えないようにカーボンシートで隙間を埋めるなどして、細かい点まで妥協せず、一気に品質を上げた。
足回りもがちがちの乗り味はTEZZOが嫌うところだ。路面のあたりは柔らかいものの、高速姿勢安定性は高く。ラグジュアリーな乗り味でありながらでも、スポーツカーだからサーキットを走った時の扱いやすさも必要である。となると速さを獲得するための方法論としては、単に足を固めるのではなく、タイヤとブレーキの前後バランスを最適化することによってバランスの巧みさでタイムを稼ぐ手法となる。
具体的には、TEZZO車高調はフリクションを排除してスムーズな動きを実現、前後グリップバランスの最適化によるトラクションを確保。20段階ワイドレンジ減衰調整式。任意の車高調性が簡単となる全長式車高調整機構を装備。そして日常からワイディング、そしてサーキット走行まで、様々なロケーションでロングテストを行い、それぞれでベストな着地点を見つけた。その上でベストポジションを設定、さらに大きな調整幅を持たせることでオールマイティーさを身につけたのである。
マフラーに関してはそのサイレンサーの美しさにも注目してほしい。熟練した職人が1本1本造っている。サイレンサーに缶詰めのような折り返しがないのはTEZZOの伝統だ。1本1本丁寧に製作し、金属こまみたいになって職人が磨きこなしている光景を、その光り輝く304の輝きから想像してみてほしい。
ホイールには、TEZZOの定番となったTEZZOプロドライブホイールを開発。0.5Jほど純正よりも幅を広くすることでワイド化し、さらにはタイヤ剛性、圧倒的軽量化による運動性と燃費性の向上をもたらす。また、ほりの深い鍛造のディテールがシャープなエッジ部分が本物のスポーツカーであることを主張する。
アバルト TEZZO 124 LXYは、こうして日本メーカーが造ったロードスターに世界に誇れる技術を有する日本の職人による手の込んだ高品質パーツをセットすることで、ベースとなったロードスターとは全く異なる提案がなされた。
そしてまたアバルト TEZZO 124 LXYのインテリアは、カーボンと本革の絶妙なる融合のセンスで仕上げられた。カーボンはスパルタンなイメージが強く、カーボンオンリーだと車内が暗い雰囲気となる。LXYとしてのスポーツ&ラグジュアリーのコンセプトを表現するために、TEZZOバレルンガシリーズを組み合わせて構成される。本革最高級レザーを使用し、色合いは純正の赤の内装に対して、普通であれば同色の赤を取り入れがちだが、TEZZO CARSは見た者をハッとさせる効果を狙い、アイボリーホワイトでチャレンジすることをチョイス。しかしながら、TEZZO伝統のペンタゴンステッチとセンターラインに赤を使用することで、純正色赤との融合もおこたりなく、まるでフェラーリのようなスポーツ&ラグジュアリーな世界観が展開する仕上がりとなった。
124スパイダーコンプリートパッケージ本体車両価格+¥2,316,000
124スパイダーパフォーマンスアップパッケージ本体車両価格+¥1,583,000
124スパイダーセレブリティパッケージ本体車両価格+¥733,000
TEZZO CARSが限定生産しているコンプリートカーには、速さと快適性が高い次元でバランスしたスポーツ&ラグジュアリー仕様の「LXY」と、サーキット走行において、より一層の速さを引き出すためのオリジナルパーツを装着した「RT1(ラジアルタイヤ・ナンバー1)」という2種類のコンセプトが存在している。
そもそもアバルト124スパイダーはマツダ・ロードスターをベースに開発されているが、単にボディの意匠を換えただけではない。エンジンはロードスター用の1.5リッターから自社製の1.4リッターターボに換装されて大幅にパワーアップ。足回りに関しても、ロードスターの柔らかくて大きくストロークするセッティングから、ロールを抑え気味にした方向での現代的なスポーツカーのトレンドへと仕様変更され、アバルトならではの走りのキャラクターが与えられている。
オープン2シーターということもあり、サーキットのイメージが希薄なモデルだといえるが、アバルト124スパイダーは素性がいいため、スポーツドライビングを楽しむには絶好の素材なのだ。そこでTEZZOではワインディングやサーキットを走らないともったいないと考え、デモカーのTEZZO アバルト124スパイダーに機械式LSDを装着。レースにおいて、コーナーの出口でアクセルを踏むとトラクションがかかり、クルマの挙動がアンダーステアからオーバーステアに変化するぐらいの効き具合であることを確認している。
ラジアルタイヤでの走行を前提としているので、速さを追求しているものの、レース専用車にはせず、街乗り時の快適さや運転のしやすさも追い求めている。そのため、「TEZZO アバルト124スパイダー RT1プロジェクト」を進める中で、リアサスペンションをやわらかくし、後輪のトラクションが増すようにしている。ターボエンジンを搭載しているアバルト124スパイダーは、パワーユニットの特性でコーナリング中に急にターボが効いて、テールを振り出してしまうことがある。一般のユーザーは、そこでアクセルを戻してしまいがちになるが、リアサスペンションをやわらかくし、トラクション性を向上させたことでTEZZO アバルト124スパイダーは足まわりの懐が深くなっているので、トラクションがかかり、なおかつ乗り心地がよくなった上でタイム向上を望める。まさに一挙三得なのだ。
TEZZOの基本精神は、純正の魅力をさらに高めることにあるが、「TEZZO アバルト124スパイダー RT1プロジェクト」では、サーキット走行時に必須となるロールケージも装着し、ボディ剛性のアップのみならず、安全面にもしっかり対応している。
そして、サーキット走行向けに既存のTEZZO全長調整式車高調キット ver.2 for アバルト124スパイダーを仕様変更し、ブレーキホース(TEZZOオリジナルステンメッシュブレーキホースビニール被覆)を装着。真夏のレース参戦において、熱い吸気に弱いマルチエアエンジンの特性で大きくパワーダウンしてしまうことも確認しているので、今後はバッテリーを車体後方へ移設し、吸気の冷却対策を施す予定だ。