2009年度活動スケジュール







↑TEZZO by Tetsuya Ota



↑太田哲也KEEP ON RACING


TEZZO RACERS CLUBレポート

4月26日(日)アルファチャレンジ東北 Rd.1
場所:スポーツランド菅生

会員No.106 廣畑実
車種 アルファGT2.0
参加内容 走行会&アルファロメオチャレンジAR150-6

廣畑実


失望の豪雨
レースは26日、日曜日の開催だった。

前日土曜日に東北道をひた走り、仙台へ向かったが、道中はひどい雨。交通量はたいしたことはなかったものの、全線において80キロ規制のゆっくり運転。仙台に到着したのは日も暮れた夜7時。降り止まない雨を見ながら、でも、天気予報では朝6時迄には雨が止むということだったから・・と、大して心配もせずにベッドへ。

当日は5時半起き。眠い目をこすりながら・・・って全然眠くない。起きた瞬間から既に戦闘モード。お目目ぱっちりなのでした。

天気は?霧雨。この分なら止むかな、と菅生サーキットへ向かう。でも、次第に激しくなる雨。菅生サーキットに到着して、太田師匠とご挨拶。雨は益々激しい。サーキットは既に川が何本も流れているかのように水浸し。

TEZZOちなみに、今迄Tezzo Racers Clubだったのですが、今回からは、3年間の経験を積んだクラブ員は、僕を始め3人、Tezzo Racing Teamとして参戦。Tezzo Racers Clubから6人の併せて9名プラス太田師匠の参加なのでした。

我々が確保できたピットは4つ。そのうち2つは整備に使うので、チームメンバーが準備に使えるピットは2つ。豪雨の中ではステッカー貼りも不可能なので、9台の車が交代でピットに突っ込んではみんなで水を拭いて、ステッカーを共同作業で貼付けるというチームワークを発揮。

しか〜し、ここで重大問題が発生。なんと、太田師匠の車にもステッカー貼りをするようにとのお達しがくだされたのでした。しかも、フロントウィンドウに貼る「Keep on Racing」のステッカー、横に長いので、センスと腕の差が出る、ユーザーアンフレンドリーこの上ないこのステッカーまで貼るのでした。果敢に挑戦したチームメンバー高木氏。失敗したら破門ではないかとのみんなの心配をよそに、何とか無事に貼り終えた。

ドライバーズミーティングへ。なななんと、今回は、レースクイーンが2人も参加。しかも、2人ともかなり美人でございまする。これは、胸躍る。今日は、頑張らねば。

スケートリンク
午前中は、アルファロメオチャレンジ参加者による20分間の練習走行と40分間の走行会。1時間のお昼休憩をはさんで20分間の予選、1時間の走行会を経て8周の決勝となる。

走行前に太田さんからのアドバイス。昨年教えてもらった走行ラインのおさらいと、雨の日の走行方法。ふ〜ん、な〜るほど、と思うのもの、さて、これが実行に移すのはそうたやすいことではないのねん。

さて、練習走行。太田師匠が先頭となり、8台の参加者がそれに続く、「カルガモ走行」。でも、8台も続く長い列では、太田さんのラインなんかとうてい見えないし、しかも他の車に間に入られて、ラインの勉強なんかできません。しかも、川が流れるようなサーキットは、いたるところで後輪がツルっ、ツルっと滑ります。これは怖い!!恐怖を感じながら、「や〜、今日は、ついに、やっちゃうかな」と、今迄なんとか切り抜けてきたクラッシュが、ついに訪れてしまうのかと、半分覚悟を決めながら走っていたのでした。

走行会が始まり、メンバーの159に乗り込んだ太田師匠。159の持ち主は、助手席で太田師匠の走りを学びます。これはチャンスと、その車を追う僕。これでラインを勉強できる。

なに〜、なんちゅう手前でブレーキ踏むの??太田師匠の走行に必死で付いて行きながら、豪雨の中のラインを勉強する。おや〜、この車の安定感はなに?太田師匠の通るラインを慎重にトレースしていく僕の車は、自分一人で走っていたときに散々経験した横滑りをまったく感じない。速いのに、なんて安定感のある走りなんだ。

同乗走行は、一人2周程度なので、太田師匠はピットへ帰っていく。そして一人になった僕。アクセルを踏んで、太田師匠のラインを思い出しながら、太田師匠のブレーキングポイントを思い出しながら、益々激しくなるコースを回る。「ツルっ!」「ツルっ!」さっきの太田師匠に付いて行った時の安定感はどこへやら。ひたすら滑りまくりながら走行する。こわ〜っ!!

さて、今回、ちょっと考えるところありました。レースクイーンのかわいこちゃんは、レース前や走行会前に各車がパドックからコースへ出て行く時に、ドライバーの一人一人に手を振ってくれます。はて、他のドライバーの方々は、手を振り返すのでしょうか。みなさんがどういう態度を取るのかよくわかりませんが、今回は、手を振り返すことにしました。あ〜ら、そしたらたまげたことに、一層大きく手を振って満面の笑みで送り出してくれるではありませんか。うれしいもんですね。くだらないと言うなかれ。おやじはそんな些細なことでもうれしくなっちゃうものなのです。くやしかったら歳を取りなさい!はっはっは。

TEZZO復活の午後
なんとか無事に午前中の走行を終えたが、豪雨の中で何度もツルツル滑る危険なコースに怯え、結構戦意喪失状態だった。今日はこのまま、今日は適当に流して走ろうかと思っていたぐらいだった。そんな具合だから緊張感も弛み、お昼には、山田うどんさん提供のうどんをしっかり食べられた。カレーうどんはやっぱりうまいね。

しか〜し、そんな弛みっぱなしの僕を、お天道様は放ってはおかないのだった。お昼を食べ進むうちに次第に雨が上がって来て、空が明るくなってきた。ひょっとすると、ドライな状態で走れるかもしれない。

予選の時間、雨はあがっていたものの、コースはまだまだ濡れていて、ツルツル滑る状態は、それほど回復しているようには思えなかった。結果は総合19位、クラス3位。ベストラップは2分15秒731。昨年の菅生で出してしまった、1分53秒728の奇跡のようなベストラップと比べるべくもなく、また、クラス1位はチームメンバーの伊藤さん。僕のGTとまったく同型車のGT2.0に今回からLSDを装着して臨んでいた。雨の中でLSDはかなり有効らしく、コーナーで滑っても怖くないらしい。しかも、速い。クラス2位は、今回、アルファロメオチャレンジ初出場の新メンバー村上氏。ぬゎに〜、この人、なんでこんなに速いの?益々戦意喪失。

さて、続いて走行会。太田師匠の同乗走行もあるし、この走行会でなんとか、起死回生の走りを身につけたい。太田師匠の同乗走行は、いつもながらのスムーズさ。そして、僕の車を運転した直後に伊藤さんのGT2.0に乗り込む太田師匠に付いて行くことにした。これが、今回、とても役にたったと思う。太田師匠のラインが、午前中とは変わっている。明らかにドライ用の運転。でも、ところどころにオイルが散っており、コースを横切る川のような水の流れがある場所は滑り易いので避けて通る。いつもながらの安定した走り。ただ、何故かホームストレートでは追いつきそうになってしまった。思わずアクセルを緩める。スリップストリームに入ってしまったのだろうか。見ている人は「突っ込んじゃうんじゃないかと思った」と言っていた。

そして、3周目、太田師匠を追いかける最後の周回。ホームストレートに戻る大きな最終コーナーに入った時だった。この日最大の危機が訪れた。ツルっ!右にカーブして行くコーナーで、後輪が左にスリップ!「おっお〜!」なんとか車を立て直した僕。恐怖を通り越して笑いが出て来た。もう、笑うしかなかった。危機一発だった。

危機一髪を乗り越えてパドックに戻って息も絶え絶えの僕。ダッシュアルファさんのGTを降りた太田師匠が、例の満面の笑みで僕に話しかけてくる。「や〜、うまくなったね。見てたよ。最後のところ、危なかったね。ぎゅ〜っとハンドルを握りしめるんじゃなくて、いつ滑ってもいい、ってぐらいに握って、滑ったらすぐに対応できるようにしなきゃね。」最終コーナーでのスピンから脱した虚脱感に襲われている僕の脳みそには、太田師匠の声が良く響いた。

決勝バトル
さあ、いよいよ決勝だ。屈辱的な19位のグリッドに並ぶべく、パドックを出てコースへ向かう。あ、レースクイーンだ。思いっきり手を振る。気がついて、殊更に大きく手を振り返してくれる二人。よしよし、精神的にも余裕があるぞ。

一周のフォーメーションラップで、大きく右に左に旋回しながらコースを走り、タイヤを暖める。

スターティンググリッドに着き、赤いシグナルが点灯、スタート!目の前の車はチームメンバーの大槻氏が駆る159。さらにその前にこれまたチームメンバーの村上氏。スタート直後で大槻氏は抜いたが、村上氏の159との間にこれもまたチームメンバーの浦嶋氏が駆る156GTA。156GTAと勝負にはならないから、浦嶋氏にはさっさと順位を上げてもらって、とりあえずは村上氏との勝負。

2周目、ホームストレートでピタリと後に付け、そのまま車半分抜く。1コーナーがどんどん迫る。でも、完全には抜いていないから、アウトインアウトではなく、インインインでコーナーを回る。そのコーナーの立ち上がり、後輪が滑った。車の挙動を抑えきれない。まごまごしている僕をアウトから村上氏が抜く。あっちゃ〜。折角抜いたのに〜。

その後は村上氏の後をひたすら追いかけた。村上氏は初心者のはず。でも、コーナリングが安定していて隙がない。後で聞いたらカート経験者なんだって。どうりでコーナリングのライン取りがうまいはずだ。でも、執拗に追いかけてプレッシャーを掛け続ければなんとか隙を見つけることができるかもしれない。

そして、ついにチャンスが訪れた。7周目の終わりだった。決勝は8周なので、本当にラストチャンスだ。最終コーナーからホームストレートへの立ち上がり。7周目が終わって8周目に入るところ。村上氏の車のスピードが上がらない。後で聞いたら、あわてていて5速にいれてしまったらしい。僕の車がぐんぐん村上氏の車に迫る。そして、ホームストレートで車半分抜く。でもこれでは2周目と同じだ。インインインで1コーナーを回ることを覚悟した。

早めにブレーキを踏んで1コーナーに突っ込む。村上氏の車はまだブレーキをかけない。横目で村上氏の車を見る。あれ?1コーナーにもう入るのに村上氏のブレーキランプがなかなか点灯しない。と思っていると村上氏の車はオーバースピードで1コーナーでコースアウトした。ダートの中で車が右に左にバウンドしていた。大丈夫かな。程なくコースに戻って来た。ほんの一瞬のことだったが、今思えば、スローモーションを見ていたかのようにくっきりと映像が残っている。その隙に完全に前に出る。やった。

その後は最終周回、なんとかミスをしないことばかりを考えながら走った。そして、チェッカー。

結果は総合16位、クラス2位。ベストラップは1分58秒682。以前のベストラップから5秒も遅いが、今日のコースコンディションでは仕方がない。

エピローグ
表彰式が始まった。クラス2位のポディウムに上がる。1位は伊藤さん。トロフィーと楯、記念品をレースクイーンのお二人からもらう。しっかり握手。

TEZZOあ”〜、でも、忘れ物した!ポディウムにレースクイーンのお二人に上がってもらって記念撮影するんだった。忘れてた。がっかり。

そして、僕の車にも異変が起きた。フロントのブレーキローターがすっかり磨り減っちゃって、スリットがあとわずかです。インインインで1コーナーを攻めたからでしょうか。結構、片ベリしちゃったようで、異音までします。交換しなきゃ。

今回の菅生サーキットも楽しかった。バトルもできたし、危ういところを切り抜ける経験もできた。雨のコースを走る経験もできたし。太田師匠の言う「引き出し」がまた一つ増えた気がする。そして、今迄で一番楽しかったような気がする。

レース体験記を書きながら、過去のレポートを読んでみた。去年のレポートでさえ、まったく初心者であるかのような質問を太田師匠に連発していたんだな。あれから1年しか経っていないことに驚きを覚える。なんだか遠い昔の話のようで、不思議な気持ちだ。技術的にも精神的にも、去年1年でいろいろと成長できたのではないだろうか。そんな気がした。ちょっと偉そうだ。

さて、次のレースは6月。5月にもTezzoのイベントがあるのだが、その日はホッケーの試合と重なっているため、欠席。この2か月、ちょっぴり車もいじってみるつもり。

景気は益々悪くなってる。倒産する会社が後を断たず、雰囲気も暗い。そんな時だからこそ、元気出してサーキット走ってみたい。2か月に1度のサーキットでのレース。レース中は景気のことも、仕事のことも全部忘れて夢中になれる。速くなる。ただそれだけを考えている1日。そんな1日がたまにはあってもいいと思う。だって、大人なんだから。戦士の休息ではなく、戦士の奮闘だ。

TEZZO





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