2009年度活動スケジュール







↑TEZZO by Tetsuya Ota



↑太田哲也KEEP ON RACING


TEZZO RACERS CLUBレポート

3月15日(日)TEZZOデモラン
場所:富士スピードウェイ本コース

会員No,124 吉田進
車種 アルファ147GTA



富士スピードウェイで悦楽の世界へ

そのピットは巨大だった。
何しろ、F1のチームが使うピットだから。
そんな施設になぜ私がここにいるのだ?そんな戸惑いがまだ残っているうちに出走番が近づいた。
我々「ひよこ」たちがまずピット前に整列する。左を見ると巨大な観客席。これが満席だったらと思うと鳥肌が立つ。今日はちょっとだけ観客がいる。でも、「ひよこ」をビビらすには十分だ。

私には、今日このピット前にいるだけで十分に意味があった。
実は昨年11月23日。思いもよらない心臓発作。救急車で運ばれ、即手術。心筋梗塞だった。入院3週間。その間心配だったのは、やっと楽しくなってきたサーキット走行が再びできるのだろうかと言うこと。
退院したときは100m歩くのがやっとだった。1階から2階へ上がるのは、絶望的に苦しかった。休み休み上がる。3週間でこんなに弱ったのか、あるいは病気の後遺症か?
そこから3ヶ月のリハビリが始まった。
ゆっくりと自転車をこぐ。
軽度のストレッチをやる。
無理はしていけないのだそうだ。
徐々に慣れてくるにしたがって、私の歩く距離もどんどん伸びていった。
500m。1000m。3ヶ月目には4kmぐらい平気になった。調子に乗って、途中ちょっと走ってみたら、心臓が痛い。ヤバイと思って、走るのはあきらめた。

体力が戻ってくると、やっぱりサーキットへの思いが高まってきた。
急には走れないなら、車をいじろう。
いや、車を変えてしまえ。
と言うことで、147を147GTAに取り替えるプロジェクトを自分で勝手に作り、車を探した。幸い1ヶ月ぐらいで探し当て、手に入れた。
TRCメンバーレポート

ちょうどそれとタイミングを合わせるように、TEZZOから3月15日のイベントの話が来た。ちょっと体が心配だったが、「走るのは私じゃない、車だ。」と言い聞かせて参加することにした。

じゃあ買ったばかりの車にもそれ相応の準備をしよう。と言うことで、一気に足回りにTEZZOクァンタムの車高調をおごり、マフラーを換え、ブレーキパッドを変えることにした。
TEZZOの新しいショールームに行ってみると、カーボンのボンネットの実物が置いてあった。「これは私の黒い愛車にぴったり合う。」そう直感したので、これも買ってしまった。2、3年分の車改造費用を一気に使ってしまった。
なんてヤツだ、と自分に驚く。
3月14日に納車された147GTA。乗ってみてびっくり。足回りは実にしなやか。硬いのに不快じゃない。新しいマフラーからの音も、力強く気持ち良い。

そんな今日まで流れが頭に浮かびつつ、ピット前で待っていると、突然ピットから野獣の豪吼が聞こえてきた。まさに動物の雄たけび。太田さんのフェラーリ360だ。あまりにもかっこいい戦の合図。
するするっとピットから太田さんが出てきて、我々の先頭に付く。
そして、太田さんを筆頭に我々TEZZO軍団は富士スピードウェイに滑り出した。
一瞬の後、太田さんは「ゆっくり走るから」と言っていたのに、2番手を大きく離して、我々の視界から消えて行ってしまった。
あまりにも早い。早すぎる。

後は、我々が自由気ままに富士スピードウェイを独占することになった。
私は今回はテクニックの事を言うような状況ではなかった。広いサーキットで思いっきり走れる喜び。楽しさ。難しさ。
それらが一体となり、体は徐々に暖まり、後半は暖房もしていないのに汗をかきながら走っていた。それは、私にとって、一種の悦楽の世界。
またここに戻ってこれた。
そういう喜びがじわじわと私を恍惚の世界に導いていた。
TRCメンバーレポート





TEZZO RACERS CLUB事務局

〒224-0006 横浜市都筑区荏田東1-9-40

TEL : 045-948-5535 FAX : 045-948-5536