2009年度活動スケジュール







↑TEZZO by Tetsuya Ota



↑太田哲也KEEP ON RACING


TEZZO RACERS CLUBレポート

11月30日(日)アルファロメオチャレンジ東北シリーズ第3戦 in 菅生

会員No,121 伊藤広一
車種 アルファGT2.0

参加内容 走行会&アルファロメオチャレンジAR150-6



 11月30日早朝。さすがに仙台の朝は良く冷える。
 まだ暗い中、ホテルの駐車場に向かうと久し振りの仲間達に再会。寒さに震えながらサーキットまでの道程を確認。夜露に濡れた車達は、この後の戦いに備えて低く身をかがめているようで、眺めていると徐々に気持ちが引き締まってくる。何人かが集まった時点でマシンに火を入れ、「今日もよろしく頼む」と心の中でマシンに挨拶をした。まだ暗い中、メカニックを先頭に5台でホテルを出発。濡れた路面が気になるが、今回は初めてのコース。遅くて当たり前、人馬ともに無事帰還することに専念しよう。

 SUGO手前で周囲が明るくなってきた。夏の朝日も良いが、冬の黎明は心が引き締まるので個人的には大好きな瞬間だ。周囲が明るくなった頃にSUGOに到着。地形は山と谷に囲まれており結構アップダウンがあるように見える。コースは事前に覚えたつもりだったが、コースを立体的に捉えるにはとにかく走ってみるしかなさそうだ。

 パドック前に駐車後、いつものように仲間達とテント設営を行い、次いで自分達のマシンを戦闘モードに仕立てていく。テーピング、ナンバープレート交換、と作業を続けるが、指が冷たい! つまんだビスを落としてしまう。見かねた戦友が手袋を貸してくれた。ありがとう!! 体を起こすと朝日の反対側には綺麗な虹が出ている。しかも2本も。今日はきっと良い事があるぞ(みんな同じか)。

 準備を終え太田師匠から攻め方を教わる。初めてのサーキットだから戦友も皆真剣そのもの。自分も必死にメモを取るが、事前にイメージしていたラインが間違っている箇所が結構あった。この勉強会で仙台ハイランドでのレースを通して学んだ走り方(Type A)に加えて、今回はもう1つ別の走り方(Type B)を教わった。この走り方はアクセルを開けるまで我慢を強いられるType Aと比べると実践し易かったので、直ぐに実走行で試すことができそうだ。

 走行会が始まり、早速、太田師匠から教わった走り方を試してみる。初めて走るコースは想像以上に高低差が大きく、登りではラインを間違えるとなかなか加速できない。最初の走行枠はコースを覚えることに費やした。その後、太田師匠に同乗走行を行なって頂く機会に恵まれ、初回の走行で未だイメージを掴めなかった4コーナーとその後のS字(シケインのよう)、そして馬の背コーナーの走り方をじっくり観察。一番苦手だった4コーナーは自分と全くラインが違っていた! クリップを奥に取ろうとしていた自分と違い、太田師匠は早い段階でインに向かって直線的にブレーキングしながら切れ込み、クリップを長くとっている。後で理由を聞いて納得したのだが、あのラインだと確かにリスクは少ない。ふ〜ん、納得、納得。いつもの事だが他にも「なるほど」と思う事だらけの同乗走行だった。ただし最終コーナーへの進入は太田師匠のスピードでは入っていけそうも無いのがちょっと悔しいが。。。

 続いて予選。最初の3周はラインをチェックするつもりで慎重に走った。苦手だった4コーナーは大分イメージが出来上がってきて、続く長い登りも最初の走行と比べて速度が上がってきている。ハイポイント・レインボーも気分的に少し余裕が出来てきたためか、無理して姿勢を乱すことが無くなってきている。バックストレートでの最高速は最初の走行時よりも約10kmプラスの175kmまで上がっている。3周目でリアタイヤがフワフワしてきたように感じられたため、ピットに入り空気圧をチェック・調整してもらう。再びコースインするが結構コース上に車が多い。残り時間を気にしながら残り5分でアタック開始! ところが2コーナーで前車がスピン(がくっ)。気を取り直してタイムよりもラインを意識して走る。最終コーナーは太田師匠から「ノーブレーキだね」と言われたけど、条件反射のようにブレーキング(泣)。でも終わってみると1.5秒短縮の57秒台中間。やっぱり熱くなるより冷静に走った方がタイムは良い。

 予選が終わり待望の昼食。今回も「山田うどん」さんからの御厚意で美味しいうどんを堪能した。寒い時期なので体が温まるカレーうどんは最高だ。今回は新たにTRCメンバーとなる予定の方からもシュークリームの差し入れも頂戴しデザート付きの昼食となった。応援して頂いている皆さんには本当に感謝したい。

 午後の走行枠は続く決勝に備えて5周で切り上げ、ピットに戻ってコース図片手にイメージトレーニング。そして2〜4コーナーでの他車の走り方を見学。午前中は少しウェットな部分もあったが午後は完全にドライなのでコースコンディションは悪くないように思うが、時折小雪が舞うほどの寒さは続いている。寒さのせいだろうか、10分ほど見ているだけで2コーナー・3コーナー・4コーナーで合計5台もスピンまたはコースアウトしている。う〜ん、我が愛馬は無事帰還できるだろうか。

 さていよいよ決勝。グリットは22番目。めずらしく後ろにも何台かいる。初めての関東との合同戦なので、初めて一緒に走る車が結構多い。みなどんな走り方をするんだろう。シグナルが点灯するまでの時間が非常に長く感じられた。頭の中で太田師匠の「最初の2周はタイヤも冷えているし無理をしないこと」との言葉を思い出し、心の中で何度も繰り返した。 シグナル点灯! 消えたっ!! スタートはうまく行った。前の156に並んだ状態で1コーナー進入。まわりは巨大な団子状態! 「無理しない、無理しない」と声に出しながら周囲を確認しながら4コーナー進入。もちろん団子の中では理想のラインなど走れない。4コーナーを抜け登りセッションに入ると早い車と距離が開き始め少しずつ隊列が離れてきた。悔しいけどパワーの差、と自分に言い聞かせS字をクリアしたその時、数台前で赤い車がスピン! そのフロントに後続車が突っ込んだ。パーツが降ってくる!! 目の前では数台がラインを変えて自分の前を塞いでくる!!! 直ぐ後ろの147は前の状況が判らないのか左に寄り始めている。スピンした車は左にコースアウトするだろうと思ったのでフルブレーキで前の車と同じく右に回避! プラスチックの破片がウインドウを叩いたが、他車との接触はしなくて済んだ。結局最初の2周で数台の車がコースアウトしていた。師匠の予言的中である。

 クラッシュしなくて済んだのだが、登りでのフルブレーキと回避行動によりその後の登りで前の車と差が開いてしまった。そしてハイポイントの進入では2.2Lの159にあっさり抜かれてしまった。悔しいけど自分のミスではない。あとは前に喰らいついていくだけだ。前回の第2戦、夏の仙台ハイランドでは前車をパスするのに時間がかかり、やっと抜いた後は前とかなり差が開いてしまったために集中力が途切れて一人でコースアウトしてしまった苦い経験がある。今回は慌てずじっくり走りたい。

 前を走る159とストレートではパワーの差があり徐々に差が開いていく。でもコーナーではこちらの方が早いようで、コーナーの度にアクセルを全開にできずイライラが募っていく。ここで熱くなると前回の二の舞になってしまう、と自分に言い聞かせ、前車の苦手なコーナーを後ろから観察することにした。こちらが早いのは1コーナー、4コーナー、SP×2と最終コーナーだ。馬の背は逆に向こうが速そう。今まで他車を抜くことなどイメージトレーニングさえした事無い(抜かれ方は良く教わって実践してきたけど)のだが、最終コーナーを立ち上がったメインストレートで差がほとんど開かないので1コーナーにターゲットを定めた。最終ラップの1コーナー、計画通り早めにインに向かって斜めにアプローチしインを取れた。よし! あとはミスをしないでチェッカーを受けるだけだ。抜いたとはいってもストレートは向こうが速い。ハイポイントまでの登りをなんとか凌ぎバックストレートへ。ここも向こうが速いが馬の背でインを死守できた。ここを抑えられれば何とかなる。最終コーナーは相変わらずノーブレーキとはいかないのだが、後ろを押さえて無事チェッカー。良かった〜! タイムは予選ほど期待できないだろうけど、あの混戦の中で無地帰還できたことがホントに嬉しかった。

 ピットに戻ると戦友達もクラッシュに巻き込まれず無事だったようだ。良かった、良かった。チームの皆でクラッシュの恐怖体験を話していると、間もなくRace 2のスタートのアナウンス。こちらは太田師匠とチームメイト1台が出走する。大きな事故が無いように祈りながら3コーナーの観戦ポイントに向かう。スタートだ! Race 1同様に団子の塊が2コーナーに現れた、と思った瞬間、ここで1台がスピン。そして3コーナーでも2台がコースアウトしている。そして4コーナーでは何台か接触したようだ。やっぱり師匠の言ったとおりだ。熱い気持ちだけでレースは戦えない。Race 2では異様に速いマシンが何台かいたが、師匠もチームメイトも着実にラップを重ねている。そしてRace 2もチェッカー。2人とも無事完走だ。良かった。

 ピットに戻るとRace 1のリザルトが出ていた。ワクワクしながら見てみると順位は159の後ろ。しかも1ラップのビハインドだって(ガクッ)。そういえば最終ラップに入ったと思っていた時、1台早い車に抜かれたなぁ。抜かれたのはコントロールタワーを過ぎてからだと思っていたけど、2/100秒差でトップのチェッカーが先だったみたい。ラップタイムも予選より0.5秒遅かったが、これは前を抜けなかったので仕方無し。色々欲は出てくるが、とにかく始めてのコースでビリにならずに無事帰還できたんだから良しとしよう! 

 結果としてはAR150-6クラス東北3位。初めてお立ち台に登り、“プチ”シャンパンファイトも経験できた。そして始めてのコースながら、これまで太田師匠から教わった走り方を自分なりに各コーナーに適用できたし、周りの状況を確認し、考えながら走ることもできた。人生4回目のレースにしては上出来かもしれない。とにかく全くの素人から始めた自分が、今まで師匠から教わってきたことを少しずつ実践できるようになってきているのが自分でも良く判った。亀の歩みかもしれないが、仕事を離れた「非日常」の中で自分が少しずつ成長していることを感じることができ、とても充実した一日となった。そして何よりも太田師匠とメカニックから「みんな上手くなった」という言葉を聞いた時、心の底から嬉しさがこみ上げてきた。社会人になってから褒められることなどあまり無い。仕事は上手くやって当たり前の世界であり、仮に上手くできても成功の喜びを共感してもらえる機会は滅多に無い。師匠の一言で寒く長い一日の疲れが一気に吹き飛んだ。

 最後に、小雪舞う寒さの中で我々をサポートして下さったメカニックの皆さん、事務局の隠岐さん、スポンサーの皆さん、本当にありがとうございました。来年も自分の成長を確かめるべく、積極的にチャレンジしていきたいと思います。









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