今日は6月28日。昨夜は仙台市内で牛タンに舌鼓を打って、栄養満点、スタミナばっちり。早朝起きも気にならない。
5時半に起きて、仙台ハイランドへ向かう。
昨年の最終戦も今年の第1戦も菅生サーキットだったので、仙台ハイランドは10か月ぶり。コース図を夕べの内に見ておいて、思い出そうとしていたものの、体が覚えているかどうか、まして、先週の筑波サーキットでもう一つ実力を発揮できなかったLSDを抱えて、不安一杯だった。
天気は上々。気温は29度まで上がる予報。こりゃ〜暑い。でも、例の秘密兵器(クールベスト)がありますので、体が暑さに悩まされることはないはず。
今日のスケジュールは、午前の走行会後にすぐ予選。午後の走行会後にすぐ決勝、ということなので、それぞれの走行会をたっぷり走ってしまうということはできない。
ドライバーズミーティングに出席。おっ!レースクイーンが2人。これは、頑張ってポディウムに上り、前回忘れた記念写真を撮らねば。そう、こんなことでモチベーションを上げる僕だった。
アルファロメオチャレンジはクラス別で競争する。僕がエントリーしているクラスはAR150-6。同じクラスで5台が競う。その内4人はTezzo
Racers ClubとTezzo Racing Teamの仲間だ。
今回は、いつも優勝をかっさらって行く中村さんが参加。前回筑波で2位の飯島さんが参加。前回の菅生サーキットでクラス一位の伊藤氏も参加しているし、いつもの水色156も参加しているので、順番で考えると・・・・・・・ポディウムの上れないじゃん!これはピ〜ンチ、と、一人でモチベーション上げたり下げたりの忙しい朝だった。
午前中の走行会が始まった。
今日は完全なドライ。お空はピーカン。暑い。
1周目は、久しぶりの仙台ハイランドだったから、おっかなびっくり、コースを思い出すことに集中した。
2周目は、本気走り。そうすると、あ〜ら不思議、コーナーの粘りが違う。LSDの効果だった。
コーナーの立ち上がり、アクセルを踏んでもそんなにはらむことなく、直進に車が方向を変えてくれる、そんな感じだった。
だから、各コーナーの立ち上がりのスピードが全然ストレスなく上がって行く。こりゃ〜、面白い。調子に乗りすぎるとアンダーステアが出てしまうが、適度に早めにアクセルを踏むと、グググっと外側のタイヤに力が入ってコーナーを上手に立ち上がってくれるのがわかる。
2年前に、タイヤをブリジストンのRE050からRE01Rに変えた時、アンダーステアが出ず、コーナーで粘ってくれるのを感じた。その感覚に似た感じだった。
それまでは、GTのコーナー立ち上がりの加速性にストレスを感じていたので、各コーナーで必ず2速まで落として回っていた。ところが、2速まで落とさずに、3速にすれば十分なコーナーが各所に出て、その分、トルクのある4000回転ぐらいでコーナーを立ち上がれるので、その後の加速感が違った。
直線に入った。ラップタイムの掲示に目をやる。2分30秒。あれ?
僕の最速ラップは2'26.666だから、かなり遅い。
こんなに各コーナー速く回っているつもりなのに。
コーナーがうまく行っている感覚と、実際のラップタイムの遅さのギャップにとまどった。そして、午前の走行会が終わった。午前中の走行会が終わるとすぐに予選。車にも体力にも余裕を残しておきたかったので、1時間の走行会を途中で切り上げた。
走りも決まらないので、もうひとつ、消化不良、という感じだった。
少し休憩後に予選。20分しかない予選だから、目一杯走る。
さてスタート。ピットレーンからコースに出る。
前回の菅生サーキットでは、ここでレースクイーンが2人、手を振ってくれたっけ。
レースクイーンを探す。
いないじゃん。彼女達はどこ?
いかんいかん、邪念を捨てて、集中する。
でも、今日のこの暑さでは、路面温度もかなり上昇してタイヤも暑くなってしまうから、周回を重ねるごとにタイヤが粘りを失ってタイムは遅くなっていく。
結果は、7周回ってベストラップは予想どおり2周目だった。2'27.476。このサーキットでのベストラップは
昨年の2'26.666。しかもLSDの装着前。
太田さんは、今日は暑いからラップタイムは落ちるはず、と言っていたけれど、このベストラップも去年の暑い日じゃなかったっけ。どうして??
予選結果が発表された。23台中総合15位。クラス5台中2位。クラストップはいつものようにTezzo
Racing Teamの同僚中村さん。
タイムは消化不良状態だったが、順位はポディウムに上って「レーシングクイーンと記念写真」は果たせるかもしれない。
結果表をよ〜く見る。
な〜んと、僕と中村さんの差はコンマ5秒。僕の次の順位の、これまたTezzo Racing Teamの伊藤さんとの差はコンマ25秒。中村さんから僕を挟んで伊藤さんまで、3人が1秒以内に並んでいる。
まさしく僅差。ああ、ポディウムが〜・・・・・。
クラス2位だけれど、前後1秒の感覚もなく接近戦が予想される予選結果を見ながら、山田うどんさん提供のカレーうどんと、太田さんのお友達が差し入れてくれた甘いトマトと新鮮なキュウリとプチプチのさくらんぼをいただきながら、チーム仲間と談笑のお昼。
山田うどんさん、いつもいつもありがとう。とってもおいしく頂いてます。消化の良くて食べ易いうどんは、暑い時も寒い時もレース合間のお昼ご飯にぴったりです。
みんなとの話題は当然、コースの攻略法に行き、各コーナーを何速まで落として回るか(と言っても、2速なのか、3速なのかの2者択一ですが)の話に。
「ここは3速でしょう。」「え〜、でもそれじゃあ立ち上がりが遅くって。」なんて、太田さんのラインが描かれたコース図を見ながら議論していたら、太田さんが入って来た。
「ここは3速だね。立ち上がりの時に回転数を見てうまく行ったかどうかチェックするといいよ。」「ここは迷うね。」
な〜んて、太田さんの即席座学も終了。午後の走行会の時刻になった。
太田さんには、タコメーターを見るように前から言われていたものの、コーナー立ち上がりではらんでいく車をどうまっすぐさせるかに夢中で、タコメーターを見る余裕がなかった。
でも、今回、LSDを入れて直進性が良くなったから、タコメーターをチラ見することができた。でも、やっぱり、精神的余裕がないので、回転数をしっかり確認するところまで行かない。
回転数を確かめるという習慣をもう少し付ければ、きっと良くなると思われるきっかけ作りにはなった。
午後の走行会は数周回ったところで終了。決勝に備えることにした。
なんてったって、今日のテーマはポディウムでレースクイーンと記念写真。3位までに入ればゲットだ。
不謹慎なモチベーションだが、これもモチベーション。なんてったって、レースだもん。
レースに参加することも夢だったし、ましてやポディウム、レースクイーンなんて、今までの僕の人生からはあまりにもかけ離れた瞬間だ。
たっぷり休養を取り、暑い車の中で冷え冷えの環境を提供してくれるクールベストの瞬間冷却剤を入れ替えて、準備万端だった。
さあ、決勝だ。ピットレーンからコースに入る。
ようやく、レースクイーンのお出ましだ。コースに入るところでみんなに手を振る。当然僕は振り返す。
そのままフォーメーションラップ。僕の前に走るのは、チームメートの中村さん。右に左に車を振ってタイヤを暖めている。
そのまま一周回り、ホームストレートのグリッドに付いた。
僕の前はアルファ145。スタートダッシュはいいだろう。素直に付いて行けばいい。
僕の斜め前が中村さん。第一コーナーは右へ、第二は左へ。
当然、1コーナーへは僕の方がインを取れるが、第二、第三は左だから、インは中村さん。勝ち目ないな〜、なんて思ってた。とにかく、スタートがまずは大きな勝負。
シグナルが赤く点灯。消えた!スタート。
おっ?!一瞬、空ぶかしのような反応。ニュートラルに入っちゃったのかと思ったが、後から聞いたらセレスピードではよくあるらしい。
思ったとおり、目の前の145がするするとスピードを上げて行く。
すると、右から白い156。2.5リッターもあるし、マニュアルだから、僕の2.0リッターのセレスピードでは、スタートダッシュは勝負にならない。
145の前にいた太田さんの147が見えた。太田さん、チームメンバーに気を遣ってくれて、150-6の僕たちのクラスを選ばず、150-3クラスにエントリー。
ラッキーだったのは、さっきの白い156。僕の目の前でコースを左に取り、その後は、中村さんの頭を抑えるコース取り。だから僕はその右を何とか飛ばして行けたから、中村さんは僕に遅れをとった。
気がつくと、前からはだいぶ離され、後にピタリとこれまたチームメートの伊藤さん。同じGTで、車の仕様も殆ど変わらないから、ワンメークレースだ。
その後は、ずっと、この伊藤さんに追いかけ回され、僕は、常にルームミラーで迫り来る伊藤さんの存在におびえながら、コーナーを回って行った。
4周目ぐらいだったろうか、伊藤さんが仕掛けて来た。ついに伊藤さんとのドッグファイトだ。
伊藤さんが並んだ。全く並走して3コーナーぐらい回ったろうか。なんとか僕がイン側のコーナーで、伊藤さんがまた、僕の後に付いた。
汗が額からどんどん口元に垂れてくる。
その次の周回だった。僕の苦手なヘアピンに差し掛かった時、伊藤さんがインを取った。後で聞いたら僕がブレーキングを失敗したと思ったらしい。僕が早めにブレーキを掛けたのでそう思ったのだろうか。
伊藤さんはその分ブレーキングが遅れ、ヘアピンを曲がりきれずにコースアウト。しめた!
僕は通常通りのラインでヘアピンを回り、伊藤さんを引き離す。
それからは、その距離を保ちながら、8周を回った。ホームストレートで出ている残りラップの数字が3、2と一つずつしか少なくならないのが(当たり前だが)うらめしかった。
そして、チェッカー。待ちに待ったチェッカーフラッグが見えた。ゴール!
もう、バテバテだった。パドックへ帰るまでの1周がとても永く感じた。
伊藤さんに抜かれずに済んだ。そのことで、安堵の吐息が漏れた。
そんな僕にチームの仲間が声をかける。
「すごいね〜。クラス優勝じゃない?」
よく考えると、予選クラス一位の中村さんを抜いて、チームメイトにも、水色156にも抜かれていないんだから、クラス優勝だ。じわじわと喜ぶ気持ちが沸いて来た。疲れてバテバテの気持ちにようやく喜びの気持ちが追い付き、そして追い抜いた。
表彰の時間になった。
クラス別に表彰されていくので、僕たちの150-6クラスは6番目。150-3クラスでエントリーの太田さんもクラス優勝。シャンパンファイトが決まっている。
僕たちのクラスが呼ばれた。トロフィーと楯をもらう。「Winner」と書いてある。やった!!
そして、レースクイーンのお二人にポディウムに乗ってもらい、記念撮影。他のクラスの方々は、遠慮したのか忘れていたのか、誰もそんなことやっていなかったが、こんな記念すべき日、記念写真撮らずにどうする。
小さい頃から、1位ってなかなか取れなかった。全く勝負にならないか、良くても2位。何度も何度も2位を経験したが、1位なんて、数えるほどだ。
だから、嬉しかった。とても嬉しかった。たとえ、これが、運による1位だったとしても。
それが証拠に決勝のリザルトを見ると、総合15位から18位までをTezzoが独占。
僕の最速ラップは2'26.899だったが、次順位の伊藤さんはそれを上回る2'26.685。
さらに、その次の順位に入った今回仙台初参戦の飯島さん。ベストラップは2'25.892。これはたまげた。思わぬ伏兵がTezzoに入っちゃった。
今回久しぶりの常に1位の中村さんだって、全く油断のならない相手。今回はたまたま白色156に頭を抑えられただけ。
次回はポディウムが危ないな〜。全く油断のならないTezzoの仲間達。でも、そんな仲間と、空いた時間にコース攻略法を議論する。とても楽しい仲間ができた。
|