2009年度活動スケジュール







↑TEZZO by Tetsuya Ota



↑太田哲也KEEP ON RACING


TEZZO RACERS CLUBレポート

4月26日(日)アルファチャレンジ東北 Rd.1
場所:スポーツランド菅生

会員No.141 高木清美
車種 アルファ156TS
参加内容 走行会&アルファロメオチャレンジAR150-3

高木清美


思い起こせば1年前、TRCメンバーとして初めてサポート観戦したのが、アルファロメオチャレンジ2008東北第1戦仙台ハイランドだった。レースの観戦は何度もあったが、自分が挑戦する事を前提にしての観戦は正直なところ身が縮む思いだったのを思い出す。
そして1年、今こうしてアルファロメオチャレンジ2009東北第1戦のレポートを書いている。何と40年越しの夢が叶ったのだ。私がレースに憧れを抱いたのだが父に無理やりに連れて行かれた第1回富士グランチャンピオンレース。猛スピードで疾走するレーシングカーを目の当たりにするのは、幼心にも物凄い衝撃だった事を覚えている。その当時の私の夢は「カーレーサー」だった。

TEZZO眼が覚めた瞬間、天候の事が頭を過ぎる。部屋のカーテンを直ぐに開けてみる。やはり予想通りの雨。それもかなりの雨量だ。レース初参戦が雨。そういえば入学式もいつも雨だった。昨年サポート参加した仙台も朝方は雨だった。決勝までには上がってくれることを祈る。
スポーツランド菅生へ行くのも初めてだ。途中のワインディングで少しだけ車速を上げてみる。愛車の156TSは一年前とは別物の車に生まれ変わっている。私自身もTRC主催のドライビングレッスンで腕を上げたのか、たんに運転する楽しみから操る楽しみに変わりつつある。

一番乗りで着いたと思われるサーキットは標高が高いせいか雨の強さが増している。コースは水浸し、勾配のある部分は川の様に水が流れている。どんよりと厚い雲に覆われた空から晴れる気配は微塵も感じられない。私の心までが憂鬱な気持ちで覆われる。家まで無事に帰れるのか。

練習走行が始まった。雨量にあまり変化はない。筑波での練習走行の多い私にとって菅生は正に山岳コースの様相。コースイン直後に下りながらの左コーナー。次は登りながらの左。フロントに上手く荷重がかけられず超アンダーステア。前を走るTRCの先輩メンバーは、私より速いスピードで向きを変えコーナーをクリアしていく。基本操作の重要性をあらためて痛感する。

TEZZO太田さんとの同乗走行の順番が周って来た。4回目の同乗走行になる。毎回思うが発進からして全く違う。技を盗もうと思うが訳が分からない。しかし、簡単に盗めないという事だけは良く分かる。もしかすると、詩人が風を感じるように、太田さんには私には伝わらない挙動や五感では感じえない何かを情報として得ているのかもしれない。いや、そうとしか思えない。五感を研ぎ澄ますという事は、自分の理解出来ない世界を想像することなのか。

今回の同乗走行は雨の中で行われた。私には信じられない様なスピードなのは毎回の事だが、濡れた路面でタイヤが滑り出しそうな不安が全くない。私が超アンダーでコースアウトしそうになったコーナーを、アスファルトに埋められた線路をトレースするかの様に旋回していく。驚異的なフロント荷重だ。そして寸分の狂いも無いハンドリング。荷重が抜けることなく旋回を終え、短い距離でニュートラルな状態に戻し、また直ぐ次のターンへと繋げていく。リズムという話を聞くが正にこのことか。リズム感の無い私には厳しそうだ。そういえば縦笛の練習も途切れ途切れだった。


予選を終え本戦へ。嘘の様に雨があがり路面が乾き始める。予想通りの最後尾グリッドだが、レースに参戦するという夢が叶った喜びと心臓が口から飛び出しそうな緊張感が心地よくブレンドされていく。40歳過ぎでの初体験、正に快感だ。
スタート前のカウントダウンが始まる。しかし、勾配のキツイ菅生のメインストレート、最後尾の私からはシグナルが上手く確認できない。全閉されたサイドウインドウでアナウンスも聞き取れない。仕方なく窓を少し開けるが、間違えて助手席側を開けてしまう。慌てて閉じるが時既に遅くトランスポンターが剥がれて落ちそうになる。張りなおそうともがくが四点式で動けるわけもなく、落ちない事を祈るばかり。周りの各車のクリッピングが激しくなり始める。

スタートと同時に不思議と緊張感が消える。私が第一コーナーに辿り着く頃には、トップ集団の渋滞も解消され既に一人走行会の様相。コーナーで引き離され、ストレートで引き離され、次第に人生一人旅状態へ。本日の第一目標のレース参戦は達成された。第二目標は太田さんにラップされないこと。兎に角ゴール目指してひた走る。
残り数週にしてトップ集団がルームミラーに映りはじめる。黒い点は瞬く間に迫り来て過ぎ去っていく。次々とラップされるがクラスが違うので当然と自分で自分を慰める。
ラスト1周のサインボードが表示された。この1周を無事に走りきれば完走だ。太田さんの影は未だ見えない。はずだったが、裏のストレートで怖い顔の159が見え始める。残り半周逃げ切れるのか。必死に走っても引き離せるわけなど無いのは百も承知だが、ここは自分への挑戦、やれるだけやってみる。苦手な最終コーナーをむかえる。この坂を登りきればチェッカーフラッグ。でも怖くてアクセルが踏み切れない。気付けば赤い159が驚異的なスピードで現われる。インからあっさりとパスされる。あまりの速度差に抜かれながらも感動。しかしながら第二目標達成ならず、次回へ持ち越し。

初チェッカーフラッグを受けホームストレートを走り抜ける。このシーンだけを見た方には、太田さんを猛追しながらクラス2位でチェッカーを受けた様に見えたかも、というおまけつき。AR150-3クラス2台中2位だが、夢が叶い生きてて良かったという喜びに満たされたのは言うまでもない。

毎回サポートして下さいます、稲垣さんはじめスタッフの皆様本当にありがとうございます。走るほど欲張りになっていくんですね。今後もご指導の程よろしくお願い申し上げます。

TEZZO





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