2009年度活動スケジュール







↑TEZZO by Tetsuya Ota



↑太田哲也KEEP ON RACING


TEZZO RACERS CLUBレポート

2008年4月20日アルファロメオチャレンジ2008東北第1戦

会員No.121 伊藤広一
 
車種 アルファGT 2.0





 今回の仙台ハイランドは人生3回目のサーキット走行となったが、この他に初めての経験となることが2つ。1つは昨年までの走行会からARCへステップアップしたこと。もう1つは家族(妻+息子7歳)が同行したことだ。

 前日のお昼前に3人で自宅を出発し、いざ仙台へ。これまでの一人旅に比べると家族一緒というのはやはり楽しい。クイズやゲームをしながらあっという間に6時間が過ぎ温泉宿に到着。今回は前夜祭も行われるので、早めに一風呂浴びて皆さんの到着を待つことに。一足先にビールで良い気持ちになった後、メンバーの皆さんが続々と会場に終結。太田さん交え、久し振りに会う面々と近況を話し合っているのだが、話しはやはりドライビングの話題に。楽しいながらも徐々に緊張感が高まってくる。それでもほどよく飲んだところで床に就くとあっという間に眠りに落ちていた。家族一緒ということもあり、緊張感の中にも精神的なゆとりがあったのかもしれない。

 明けてARC当日。5時前には目が覚め、窓の外を見ると前日の雨も上がってドライコンディションのレースができそうだ。サーキットデビューとなった昨年4月の走行会は完全なウエットコンディションで、サーキット若葉マークの自分は電子デバイスの助けを借りながら安全運転に徹してことが懐かしく思い出される。今年は自分の実力を試すべく精一杯走ってみようと思い、コース図片手にイメージトレーニングする。しばらくすると、日常と同じ妻と息子の声が聞こえ我に帰った。

 家族で朝食を済ませサーキットに到着。日頃目にする車とは違うオーラを放つ車の数々に妻も子供も大喜び。「うぉ〜 ピンクの車〜」「すごい音のアルファが一杯〜」 こんな会話でも随分気持ちが落ち着くのが不思議だ。さっそくピット前に車を停めて家族総出でテープとステッカーを貼り車の着替え。次いでオヤジもレーシングスーツに着替えると普段の「くたびれオヤジ」から「カッコいいオヤジ」に変身。 息子も「おおっ! カッチョいい!」だと。そうだぞ! 君のオヤジは本当はカッチョいいのだ!!

 ドラミを終え、今回は自分の車を太田さんがドライブする同乗走行からスタート。太田さんが通るラインは朝のイメージトレーニングと全く同じライン。ブレーキングポイントは思ったよりも手前にとっているのだがコーナリングスピードは全く違う。これって本当に自分の車か?? 次いで自分がハンドルを握りコースイン。イメージトレーニングのおかげで目標となるCPは頭の中に入っている。 が! 進入スピードが速すぎてCPに付けない! 次の周回でブレーキを早めに踏んでみるとインに早く付き過ぎ車速が伸びない! こんな状態なので課題を苦手な2つのコーナーに集中することにして、5周ほど試行錯誤を行いピットに戻る。計測結果を見ると雨天デビューとなった昨年よりも15秒もタイムが縮まっている!! 先輩達と比べるとまだまだ遅いけど、太田さんが言っていた「考えて走る」ことの大切さが実感できた瞬間だった。家族からも「頑張ったね」「カッコ良かったよ」の声。嬉しいね。気分最高!!

 今年も山田うどんさんのご厚意で美味しい昼食を頂いた後はいよいよ予選。午前中に苦手コーナーを重点的に練習したせいか意外と冷静に走れている。昨年のヘルメットの中で頭から湯気が出てきそうな状態とは大違いだ。タイムアタックしている皆さんの邪魔にならないように周囲に気を配りながら走り、4周目からはリアの挙動が不安定になってきたのでピットイン。リアタイヤの空気圧を計ってみると走行前より0.4kg増えていたのでメカニックの方に調整して頂き再びコースイン。その後は午前のおさらいを兼ねてゆっくり2周ほどラインの確認を行ったところで予選が終了。自分でも驚くほど冷静に走ることができた。タイムはあまり期待していなかったのだが、終わってみると午前の走行から更に3秒の短縮。順位は予定(?) 通り後ろから数番目だが自分としては大満足。見よ! オヤジは頑張ってるのだ!! 

 明日は月曜日で小学校があるため決勝を前に妻と息子は電車で一足先に帰宅することになり、無事故で帰るとの約束をして別かれた。別れ際の「頑張ってね」の声がとてもありがたかった。よし、決勝での目標は完走と予選タイムからの2秒短縮だ(せめて目標だけでももっと高い方が良かったか??)。

 そしていよいよ決勝。初めてのグリッドスタートだ。TV映像でしか見たことが無かった風景が目の前にあり、恥ずかしながら現実感がなく、シグナルを遠目にぼんやり眺めていた。次の瞬間、シグナルが消えて我に帰りアクセルを目一杯踏み込むと、先頭集団が早くも第1コーナーに飛び込んでいるのが見えた。同時に後ろからも抜かれてしまったが、ハナから順位の事など考えてないので予選と同じようにラインを覚えるつもりで周回を重ねていく。走行会・予選と違って回りも全開走行しているので極端に速度の違う車がいないので意外と走り易い。そして予選同様に意外と冷静に走れている自分に少々驚いた。3周を過ぎても(自分の印象としては)大きなミスもなく順調に走れている。4周目くらいからは前車が苦手でこちらの方が早いコーナーも判るようになってきて、ちょっとドキドキしながら「抜いてみようか」との考えがよぎる。そして5周目の左ヘアピンで前車のインに入るが、立ち上がりでの加速は向こうがほんの少し早い。ちょっぴり悔しいけど、今更ながら性能差が少ないなかで前車を追い越すのは大変なことだ、という当たり前のことを改めて実感した次第。6周目からは体も少々くたびれてきたのでブレーキングを早めにし、確実にCPに付くような走りに徹することに意識を切り替えてみることにした。ブレーキを早めにすることで気持ちに余裕ができるのか、CPに向かってハンドル操作をゆっくり丁寧に行い、立ち上がりでハンドルを戻すときも丁寧にラインに乗せるように意識することができた。これ自分なりの収穫(笑)。そろそろバックミラーに先頭の姿が見えるかな? と思った頃にチェッカーフラッグが振られ、初めてのレースで無事故・無違反(?)・同一周回でゴールを迎えられたことにホッとしてピットに帰る。

 終わってみるとタイムは予選から2秒短縮した自己ベストで目標達成だ! しかも昨年のデビューからは20秒の短縮だった。昨年のタイムが遅いため比較対象のレベルが低すぎるのと、順位に言及できないのは御愛嬌として頂くが、自分なりに満足できる内容だった。「考えて走る」ことの難しさと楽しさの両方を味わうことができた最高の一日だったと思う。そして普段の仕事を通じては中々見せることができなかった「目標に向かってチャレンジするオヤジの奮闘する姿」を家族に見てもらえたこともとても嬉しかった。

 充実感を胸に深夜帰宅すると、決勝を待たずに一足先に帰宅した息子が書いた絵日記(どうやら学校の宿題だったらしい)がテーブルの上にあり、見てみるとカラフルな数台のアルファがサーキットを疾走する姿が描かれており、「いつか自分もレースをしてみたい」と書かれていた。

 息子の寝顔を見ながら「オヤジは仕事でもレースでもチャレンジしていくよ。また一緒にサーキット行こうな」と声を掛け、妻にも「今日はありがとう」と声を掛け(たはず)、深い眠りに落ちて長い一日が終わった。この充実感を与えてくれた太田さん・メカニックの皆さん・チームのみんな、素敵な仲間と家族に改めて感謝したい。




以上








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