2009年度活動スケジュール







↑TEZZO by Tetsuya Ota



↑太田哲也KEEP ON RACING


TEZZO RACERS CLUBレポート

2007年12月15日アルファロメオチャレンジ統一戦

会員No.113 中村 弥太郎

車種 156TSセレ

参加内容 走行会 アルファロメオチャレンジ




 幼い頃から勉強も運動もイマイチ。典型的な、のび太君キャラの自分がなんと統一戦に参戦。なんて名誉な事なのでしょうか!今回太田さんは監督として参加。チ−ム代表として4人体制で挑む。中村弥太郎とオヤジ"ギャグ"レ−サ−ズ結成!勝手に!!(あくまでも私の心の中での事なので、関係者の方は長い目でお願いします)否応でもテンションは上がりっぱなしだ。前夜に現地入りし、体調を整え翌朝9時前にサ−キットに到着する。ピットに車を搬入すると気分上々。まるでフェラ−リF1エースドライバ−気取りだ。まだ人気のないピットロ−ドを横断しコ−スを見つめる。路面を清掃する車がゆっくりと目の前を通過していった。満席のグランドスタンドから見つめられるプロドライバ−の気持ちはどんなだろうか?暫くすると廣畑さんがやって来た。氏のGTは今回TEZZOのレイアウトサスキットとスポーツマフラ−装着してバッチリ決まっていた。私も富士対策としてTEZZO Dual-Modeを投入。頼まれもしないのに「消音バッフルを装着してるとこんなにジェントルで良い音なんですぅ〜!」と空ぶかし。車談義をしながらゼッケン貼り付けなどの準備をした。もちろん本戦に備え、消音バッフルは取り外した。

ドライバ−ズミ−ティング後、部屋を出ると太田さんの姿を発見。「あっ太田さんだ!」親を見つけた子供のように自然と大きな声を出していた。今日はヨロシクと硬い握手を交わした太田さんの笑顔は、まるで自分の晴れ舞台を祝福してくれている様で嬉しかった。

プラクティス時に、今回富士初走行となる廣畑さんにコ−スを教える為、先頭を走る事となった。弥太郎の矢ガモ走行だ!1月の走行会時はコ−ス図も見ないで来てしまうほど、ド素人丸出しだったのだが、今回は自分なりに雑誌の攻略法やF1のビデオを見たりして研究してきた。でも俺の走りで大丈夫かな?彼はさぞかし不安だっただろう。ミラ−を見ると、ちゃんと着いてきてくれている。ストレ−トを通過し2周目に突入しても、離れずについてくるのを確認すると、心配事は無くなっていた。

統一戦のスケジュ−ルは忙しい。プラクティスが終了して45分後に予選開始となる。再び廣畑さんを引っ張る為、勢いよくコ−スイン!しかし追い付かない。1コ−ナ−、コカ・コ−ラコ−ナ−と結構なペ−スで彼は走って行く。気合入ってるな〜と思った瞬間!100Rでコ−スアウト!めでたく矢ガモ走行になったとさ。ランデブ−走行を3〜4周するとコ−スが空いて来た。ここぞばかり気合を入れ走る。100Rもヘアピンも無難にまとめ、良い感じに13コ−ナ−まで来ると、なんと赤旗が出ている!嘘だろ〜!しぶしぶピットに帰って行った。「調子良さそうじゃん!23秒!」太田さんが声を掛けて来た。「!?」まだろくにタイムアタックしてないのに!こいつは行けるぜ。と思いコ−スオ−プンを待つが、時計を見ると刻一刻と時は過ぎて行く。嫌な予感は的中しそのまま予選は終了となり、少々残念な結果となった。

決勝前に太田さんのアドバイスを頭に叩き込む。スタ−トはローリングスタ−トだ。フォ−メ−ションラップでダンロップコ−ナ−にさしかかると、路面が鏡のように太陽光を反射させていた。ストレ−トに入ると聞いていたより速い速度で隊列が進んでいる。スタ−トライン前に加速するとペナルティになる事だけ注意し、前車との間隔を保ちながら進みスタ−トを切った。なんでも今年の世相を表す漢字が『偽』だとか。まったくふざけるなって感じだぜ。そんな大人達をみて子供達が明るい未来を描けるか!俺は普段の鬱憤をアクセル全開で富士のストレ−トに叩きつけてやった!吠えろ!ツインスパ−ク!!高音を奏でるフェラ−リがソプラノのサラ・ブライトマンならTEZZO DUAL−MODEマフラ−はテノ−ルのルチア−ノ・パバロッティだ!高音を奏でるのに裏声(技)は使わない。腹の底から搾り出す低回転から高回転のよどみないサウンドは、男の高音だ!もう1月の時の、頼りない車じゃない。1.5キロの空気の壁を切り裂きながら加速した。



1周終了した時点で、すぐに自分の考えが間違っている事に気が付いた。周りは遅い車ばかりで、簡単に順位を上げられると安易に思っていたのだ。それどころか後ろの車両はもうすぐにでも自分を追い抜きそうな勢いだ。不本意な予選は皆同じだったようだ。自分から仕掛けなければこの状況は変わらない。コ−スをいっぱい使うアドバイスを思い出す。「闘争心!」ヘルメットの中で叫んだ。コカ・コ−ラコ−ナ−を縁石ギリギリで立ち上がると、前車がミドルに100Rに進入するのが見えた。思い切ってインに飛び込み、そのまま度胸一発アウトまで加速させた。アクセルワ−クで徐々にイン側出口に向かうと今度は別の1台に追い付いた。その勢いのままインを刺しオ−バ−テイク!決まった〜ぁ!一気に2台抜き!師匠見ていただけましたか!あなたが育てたヒヨッコはこんなに強くなりました!!しか〜し喜びも束の間、各地区を制した精鋭達は簡単にリ−ドを許してはくれない。ストレ−トで車影が消えたと思ったらピタリとスリップストリ−ムに入られていた。1コ−ナ−ブレ−キング勝負は強烈、車体がグラグラと不安定になる。インに入ってきた。やられた!と思ったが、曲がり切れずコ−スアウトしていった。「これでいいんだ。自分の走りをすればいいんだ」と言い聞かした。その後も激しい攻防が続き、もう自分の走り所では無くなってしまった。シケイン飛び込みでオ−バ−ラン、縁石乗り上げ、ネッツ立ち上がりでラフなアクセルワ−クでホイ−ルスピン、ミスを連発した。意地と意地がぶつかり合う、さながら格闘技の形相だ。ただ人の進路は塞ぐまい、スポ−ツマンシップで勝負することは忘れなかった。気がつくと路面の反射は無くなっていた。雲の切れ目から富士山の麓が見える。やはり大きいな!一瞬心を奪われた。あるメンバ−は「サ−キットを一度でも走れたら棺桶に入ってもいい」と言っていた。その言葉を本気で笑えなかった。自分も同じ気持ちで初の走行会を迎えたからだ。サ−キットは聖域。選ばれし物だけが走る事を許される場所・・・そう思っていた。だが今、富士SWを走っている。夢じゃないんだ。夢じゃない!!

前を走る車両・・・あっさり抜き返されてしまったが、離れる事なく付いて行けている。ペ−スも上がっているのか、さらに前の2台に追い付いてきている。また抜き返したい。最後まで諦めたくない!ただ100Rはかなり警戒されているようで隙が見られない。ラインも殆ど同じ場所をトレ−スしていた。唯一違うのはパナソニックコ−ナ−だった。前車は大きくアウトから回りこんでコ−ナ−リングしていた。勝負を仕掛けるにはここしかないと思った。しかし自分もクリップに付く事ができず、ただの一回も上手くクリア出来ないでいた。アクセルからブレ−キへ踏み変える時間がもどかしい。ブレ−キを強く踏みすぎて失速しているようでもあった。左足ブレ−キを使おう。そう判断して試してみると以外にも上手くできた。心は決した。ここで勝負しよう。ストレ−トを意識した早めのアクセルオン。TEZZO DUAL−MODEマフラ−の加速で3台をコントロ−ルライン前までにぶち抜く!セオリ−とは違うかもしれないし、物理的に可能かどうかもわからない。まるで漫画のシナリオだが、それしかアイデアが浮かばない。悩んでいる暇などない。残り周回はわずかなのだ。最終周、最終コ−ナ−にすべてを掛ける!

左足ブレ−キを駆使しコ−ナ−に進入、コンパクトに廻り込みクリップにつく。一番上手く出来た!あとは加速あるのみ!とその瞬間、インの扉をピシャリと閉じられてしまった。一瞬の急制動からアクセルオン。万事休す。3台は逃げていく。終わってしまった。電光掲示板にFinishの文字、メカニックが見えた。ありがとう!2,3度パッシングして右手を上げた。悔しさは無かった。ただ・・・

全車が一斉にハザ−ドを焚く。祭りの後に似た寂しさよ。遅延行為になるからと素早く戻る事を心得ていたのだが、まだ走っていたいと言う気持ちがそうさせたのか、ピットレ−ンに入る頃には前車との距離が大分ついてしまっていた。悔しさは無い。ただ願わくはもう少し走っていたい。ピットに戻るとスタ−ト前に「無事に終わったら、握手しましょう」との約束通り、僚友とがっちり握手をした。言葉を多く交わさなくとも、そのキラキラした表情にレ−スを十分に楽しんだ事が伺えた。こうして熱く長い1日は幕を降ろしたのだった。思えば随分と長い時間と距離を走ってきたつもりだったが、それは海岸で海水浴をしている程度の物だった。太田さんが連れて行ってくれた、海底の世界は想像を越えたワクワクした世界だった。まったくの素人だった私が、怪我も無く無事にシ−ズンを終えられた事、太田さんをはじめ、事務局の皆さん、メカニックの皆さん本当にありがとうございました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。そうそういつも黙って見守ってくれた妻にも感謝しないとね。

「それでこれからどうしたいの?」と聞かれた。その言葉にドキッとし絶句した。そうこれからの在り方を模索していたからだ。プロならばとことん速さを追求しステップアップして行けば良い。しかしアマチュアの自分は走る事で賞金を稼げる訳でもなく、モチベ−ションを保てるのだろうか?走らなくて趣味といえるのだろうか?目標は趣味としての成立。細くとも長く続けられる様、努力しよう。来年はどんな年にしようか?仲間を増やす活動をしようか?アルファ乗りのお父さん!HDDナビの装着を諦めて、TEZZOレイアウトサスキットとマフラ−を装着してサ−キットを走ってみては?海底に眩い宝石の様な体験を発見出来ると思うよ。そうだ!大勢の子供達をサ−キットに連れて行くのはどうだろう!TEZZO RACERS CLUB(通称 太田 哲也とオヤジレ−サ−ズ)の明るい社会を作るため、イキイキとチャレンジする姿に『偽』など無いのだから。








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